単項マイナスと構文解析
単項マイナスとは 単項マイナスと括弧 括弧なし単項マイナスを許容する場合のBNF calcの場合
今回はWordBookの検索と削除についてです。
検索ではクライアントがサーバに正規表現を送り、マッチするデータをHTMLで送ってもらいます。 送信方法がGETでもPOSTでもプログラムできますが、今回はGETを使うことにします。
?
以後にデータを付け足す。
このことから
検索ワードを秘匿する必要はないので、上記を総合的に考えてGETメソッドを使うことにしました。 特にリダイレクト無しで済むのは大きいような気がします。
ナビゲーションバーのSearchをクリックするとリンク先からsearchアクションにルーティングされます。
get 'words/search'
コントローラのsearchアクションの部分は次のようになっています。
def search
@search_word = ""
end
@search_wordは検索枠の初期値で、最初は空文字列にしておきます。
ビュー(/app/views/search.html.erb)は次のようになっています。
<h1 class="my-2">単語検索</h1>
<%= form_with url: words_list_path, method: :get do |form| %>
<div>
<%= form.label :en, "英単語", class: "form-label" %><br>
<%= form.text_field :en, value: @search_word, class: "form-control" %>
</div>
<div class="my-2">
<%= form.submit "検索", class: "btn btn-primary" %>
</div>
<% end %>
</div>
word_list_path
メソッドの返り値/words/listである。
method: :get
によって、GETメソッドでのデータ送信となるtext_field
メソッドによりtype=”text”のinputタグを生成する。
初期値は@search_wordで与えられるが、searchメソッドからの流れでは空白になっている。
一度送信してエラーになった後の再入力では前回入力値が@search_wordに残っているので、それが初期値になる検索画面は次のようになります。
例えば「cool」を検索枠に入力してサブミット・ボタンを押すと、次のようなURLに送信されます。
http://localhost:3000/words/list?en=cool&commit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
最後の%のついた6バイトデータは文字列「検索」がURL用に変換されたものです。
このように、GETメソッドでのデータ転送は、URLの?
以後に「キー=データ」の形で行われます。
GETで/words/list?… … …にアクセスすると、Wordコントローラのlistアクションにルーティングされます。
get 'words/list'
コントローラのlistアクションの部分は次のようになっています。
class WordsController < ApplicationController
... ... ...
... ... ...
def list
@search_word = params[:en]
if @search_word == ""
flash.now[:alert] = "検索ワードは入力必須です"
render :search, status: :unprocessable_entity
end
begin
pattern = Regexp.compile(@search_word)
rescue RegexpError
flash.now[:alert] = "正規表現に構文エラーがあります"
render :search, status: :unprocessable_entity
else
@words = Word.all.select{|word| word[:en] =~ pattern}.sort{|w1,w2| w1[:en] <=> w2[:en]}
end
end
... ... ...
... ... ...
end
params[:en]
で手に入れることができる。
form_withでフォームタグを作ったときにモデルの指定がなかったことから、params[モデル名][en]の[モデル名]が無くなったことによる。
検索パターンは@search_word
に代入する//
になり、任意の文字列にマッチする。
これを許す考え方もあると思う。
その場合はこのif文は必要ない@search_wod
から正規表現オブジェクトpatternを作る。
Regexp.compileメソッドを用いる。*
の前に文字が必要)。
例外をrescueで捕捉し、「正規表現に構文エラーがあります」をフラッシュにセットし、searchビューで入力画面を再描画する。
HTTPステータスはunprocessable_entityWord.all
は、Wordクラスのオブジェクトをデータベースからすべて取り出し、それをActiveRecord::Relationクラスのオブジェクトにして返す。
このクラスはEnumerableモジュールをインクルードしているので、selectなどのメソッドを使うことができる。
selectメソッドは、そのブロック(正規表現patternと一致する)が真となるWordオブジェクトの配列を返す。
最後にその配列にsortメソッドを用いる。
sortメソッドはブロックによる大小評価によりソートを行う。
英単語の辞書順にデータがソートされる。
このあと、listビューに@wordsが引き継がれ、マッチした単語の一覧をHTMLにして送信する。
なお、リクエストがGETメソッドだったのでリダイレクトは不要一度全部データを取り出してから正規表現でマッチするWordオブジェクトの配列を作っています。 データベースから全部取り出さず、正規表現でマッチするものだけを取り出すことはできないのでしょうか? これは可能ですが、いくつか解決しなければならない問題があります。
この問題はデータベースの大きさとアクセスの頻度によります。 それらがさほど大きくなければ、データを全部読み出す負担は小さく押さえられます。 逆に膨大なデータでは負担が増し、正規表現のSQLを発行するメリットが大きくなります。
単語帳のデータ数はさほど大きくないので「データ全読み出し」のデメリットはあまり現れないと思われます。 データ数が極めて大きくなるような場合には変更を検討することが望ましいかもしれません。
削除の流れは次のようになります。
ナビゲーションバーのDeleteをクリックすると/words/deleteにGETメソッドでアクセスします。 これはWordコントローラのdeleteアクションにルーティングされます。
get 'words/delete'
deleteアクションは次の通りです。
def delete
@delete_word = ""
end
@delete_wordはビューの中で入力枠の初期値として使われます。 最初は空文字列です。
ビュー(/app/views/delete.html.erb)は次のようになります。
<h1 class="my-2">単語削除</h1>
<%= form_with url: words_exec_delete_path, method: :delete do |form| %>
<div>
<%= form.label :en, "英単語", class: "form-label" %><br>
<%= form.text_field :en, value: @delete_word, class: "form-control" %>
</div>
<div class="my-2">
<%= form.submit "削除", class: "btn btn-primary", data: {turbo_confirm: "Are you sure?"} %>
</div>
<% end %>
今までのフォーム作成と大きく違うのは次の2点です。
data: {turbo_confirm: "Are you sure?"}
がついている。
これはボタンをクリックしたときに確認ダイアログを表示するためのものです。
Rails7ではTurboが使われているのでturbo_confirm
にしなければなりません。
(以前はconfirm
でした)送信先のアドレスはwords_exec_delete_path
メソッドの返り値である/words/exec_deleteになります。
DELETEメソッドで/words/exec_deleteに送られたリクエストはWordsクラスのexec_deleteアクションにルーティングされます。
delete 'words/exec_delete'
exec_deleteアクションは次の通りです。
def exec_delete
@delete_word = params[:en]
@word = Word.find_by(en: @delete_word)
if @word == nil
flash.now[:alert] = "単語#{@en}は未登録のため削除できません"
render :delete, status: :unprocessable_entity
else
begin
@word.destroy
rescue
flash[:alert] = "単語#{@en}を削除できませんでした"
else
flash[:success] = "単語を削除しました"
end
redirect_to words_index_path, status: :see_other
end
end
unprocessable_entity
とする@word.destroy
メソッドでデータベースから削除する。リダイレクトのときのHTTPステータスコードは303(see other)です。
status: :see_other
を省略すると、デフォルトの302(Found)になります。
この2つのステータスコードに対するブラウザの動作は
そのため、302リダイレクトを使うとDELETEメソッドでリダイレクト先にアクセスされ、最悪の場合には何らかのリソースが削除される可能性があるそうです。 ネットではそのような悲しいできごとに遭遇した人からの注意喚起が見られます。 気をつけましょう。
以上でとりあえず動くWordbookができあがりました。
Railsは動的なウェブを作ることが特徴です。 「動的」とは、リクエストを受け取ったサーバーがリクエストに応じたHTML文書をその場で作成して送ることです。 それに対して「静的」とは、あらかじめHTML文書をサーバー内の用意し、リクエストのアドレスに対応する文書を送ることです。 「静的」なウェブに対してPOSTでデータを送ることは意味がありません。
Railsのポイントのひとつは、POSTなどで送られるデータの処理になります。 前回と今回の記事でその処理の流れがお分かりいただけたのではないでしょうか。 例えば、appendでは
unprocessable_entity
ステータスで入力画面を再送信という流れです。
なお、GETでデータを送る場合は、処理が正常だった場合のリダイレクトがありません。
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